オゴクダの貝
潮岬にあるオゴクダ海岸で採れる貝を紹介します。
シナイタヤ
かずら12さんのコメントにありました、シナイタヤについて書いてみます。
イタヤガイとシナイタヤは、違いがよく解らない貝ですね。
並べて書かれている図鑑は、原色日本貝類図鑑ですが、その記述を引用すると、『イタヤガイの左殻は幼部やや凹むが後平板状となる。肋数は8肋内外』とあります。
シナイタヤの方は、『左殻の凹みはハナイタヤよりも弱く、肋数は8〜11で肋間は広い』。
この記述で両種の違いを考えると、左殻の凹みが、ハナイタヤ、シナイタヤ、イタヤガイの順番に小さくなること。
図鑑の標本を見る限り、シナイタヤの右殻の色は変化に富み、殻頂に近くなるにつれて肋上に茶色い模様が現れること。
イタヤガイの方は、右殻の色は単一色で、白や薄紅色になること等が、見てとれます。
もうひとつ、左殻の凹みのせいか、シナイタヤの右殻殻頂部は、靭帯合わせ目の直線ラインを超える感じがします。
このことから同定した貝が以下の通りです。


Notovola albicans albicans Schroter 1802
イタヤガイ科 イタヤガイ
串本町上浦海岸打ち上げ


イタヤガイ科 イタヤガイ 右殻


イタヤガイ科 イタヤガイ 殻頂部



Notovola excavatus Anton 1839
イタヤガイ科 シナイタヤ
南部町堺漁港


イタヤガイ科 シナイタヤ 右殻


イタヤガイ科 シナイタヤ 殻頂部

この画像のシナイタヤの右殻の色は、図鑑にあるような濃い色はしていない。
でも、特徴になる殻頂部に近い肋上に現れる茶色い模様が出ています。



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タイワンツキヒガイ
タイワンハナイタヤと一緒に手に入れたタイワンツキヒガイも比較してみたいと思います。
『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』には、ツキヒガイの1型として、タイワンツキヒガイとナンヨウツキヒガイが載せられています。


Amusium japonicum japonicum Gmelin 1791
イタヤガイ科 ツキヒガイ
福岡県北九州市響灘


イタヤガイ科 ツキヒガイ 右殻



Amusium japonicum formosum Habe 1964
イタヤガイ科 タイワンツキヒガイ
台湾南部東港沖20〜40m


イタヤガイ科 タイワンツキヒガイ 右殻



Amusium japonicum balloti Bernardi 1861
イタヤガイ科 ナンヨウツキヒガイ
オーストラリア 南クイーンスランド ケッペル湾 10〜30m


イタヤガイ科 ナンヨウツキヒガイ 右殻

殻の形状は、表面から見る限りこの3タイプはすべて同じです。
違いは、右殻および左殻に現れる色や模様の違い。
唯一違うかもしれないのは、内面の肋数です。
ツキヒガイでは46、タイワンツキヒガイでは39、ナンヨウツキヒガイでは36でした。
靭帯に近い方に行くに従って、内面の肋もややあやふやになるので、必ずしもこの数が合ってるとはいえませんが、ここに載せた標本での数値です。
ここまでの特徴を、地理的変異とするか、別種あるいは亜種とするかは、もっと標本の検討が必要です。
タイワンハナイタヤ
台湾産のタイワンハナイタヤを手に入れました。
この貝は、ハナイタヤの放射肋上が、数本に分かれるという特徴がある貝で、実際実物を見るまではいまいち感じのつかめない貝でした。
確かに8本程度の細い肋に分かれています。


Oppenheimopecten sinensis sinensis Sowerby 1842
イタヤガイ科 タイワンハナイタヤ
台湾南部東港沖30〜50m泥砂底


タイワンハナイタヤ肋の拡大


比較に和歌山産のハナイタヤを見ると、確かに肋上は細い肋がなく、つるっとした肋をしています。
これだけ違えば、確かに種として確立しそうです。


Oppenheimopecten sinensis puncticulatus Dunker 1877
イタヤガイ科 ハナイタヤ
串本町江田 イセエビ刺網


ハナイタヤ肋の拡大

ところが、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』にある学名を確認すると、同じ種の1タイプと思える記述があります。
そこで、手持ちの標本を確認したところ、次の貝が出てきました。


タイワンハナイタヤとハナイタヤの中間種?
南部町堺漁港 イセエビ刺網


肋の拡大

明らかにハナイタヤの特徴のつるっとした肋上に、数本の細い肋の様なものが見られます。
肋に限って言えば、ちょうど中間のような特徴です。
タイワンハナイタヤとハナイタヤは、両極端の型に付けられた名前ではないかと考えられないことはないですが、この先はDNAでの研究に持ち越しですね。




ぷろふぃーる

kudamaki2014

Author:kudamaki2014
オゴクダをホームグランドに採集をしています。
オゴクダ貝類図鑑を目指していますので、ここに載っていない種類を採集された方は、ぜひ教えてください。



かうんた~



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